

「作成した書類が見つからないことが多い。実際のところ、ドキュメント管理はきちんとした方が良いの?」
「そもそもドキュメント管理とは何をすることなの?」
いざ必要な書類を取り出そうとしたとき、お目当ての書類が見つからなくて焦った思いをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
日々の業務に追われていると、差し迫った時間制限がないドキュメント管理は、つい後回しにしてしまいがちです。そもそもドキュメント管理と一言でいっても、一連の流れを正しく理解している方は少ないようにも感じます。
ドキュメント管理とは、以下4つの流れを適切に管理することを指します。
そして、ドキュメント管理がずさんになると、以下のようなリスクが考えられるのです。
【ずさんなドキュメント管理によって引き起こされる3つのリスク】- ドキュメントを探すだけで時間がかかる
- 盗難・紛失の原因を特定できない
- 電子帳簿保存法を違反する可能性がある
業務がスムーズに進まないだけではなく、法律違反の恐れもあると聞けば、ドキュメント管理の重要性が分かってきたのではないでしょうか。
一方、ドキュメント管理を適切に行えば、業務効率を上げることはもちろん、コンプライアンス強化にもつながります。
ドキュメント管理は、地味な業務だと思われがちですが、かように重要な役割を担っているのです。
そこで本記事では、ドキュメント管理の基本から重要性まで正しく把握できるようになるため、以下について解説していきます。
- ◎ドキュメント管理の基本
- ◎ドキュメント管理が重要とされる理由
- ◎ドキュメント管理を適切に行うメリット
- ◎ずさんなドキュメント管理が招く3つのリスク
- ◎ドキュメント管理を行うポイント
この記事を読むことで、ドキュメント管理の重要性はもちろん、何から始めればよいのかまで詳しく理解できるようになるはずです。
ドキュメント管理について今一度、基本から知りたい方はぜひ最後まで読んでみてください。
1. ドキュメント管理は「発生」「活用・閲覧」「保管・保存」「廃棄」の一連の流れを管理すること
ドキュメント管理を一言でいうと「企業が事業活動を行う際に作成・発生する文書の管理」を指します。
事業活動を行う際には、さまざまな文書(ドキュメント)が必要になります。業務上で身近な例でいえば、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 発注書
- 見積書
- 請求書
- 契約書
- 履歴書
- 帳簿関係の書類など
これらのドキュメントを、自社で作成、または取引先から送付された段階を「発生」とし、「活用・閲覧」「保管・保存」「廃棄」までの一連の流れを総合的に管理する業務がドキュメント管理です。
以下、流れごとの適切な状態を見てみましょう。
【ドキュメント管理における一連の流れ】
望ましい状態 | やるべきこと | |
---|---|---|
発生 |
|
|
活用・閲覧 |
|
|
保管・保存 |
|
|
破棄 |
保存期間がすぎたドキュメントが破棄される (不要な書類でストレージ容量などを圧迫させない) |
|
ドキュメントの作成や、保管・保存など一部の業務だけではなく、ドキュメントの総括的なライフサイクルを管理します。
そのため、一部業務だけを担当しているより、視野の広さや細やかな気遣いが必要になる業務なのです。
2. ドキュメント管理が重要である理由3つ
ドキュメント管理とは何かを大まかにお分かりいただけたでしょうか。
では、そもそも何故ドキュメントの管理が重要だとされるのかも見ていきましょう。
ドキュメント管理が重要だとされる理由としては、以下の3つが挙げられます。
- 業務効率・生産性の向上に必要である
- コンプライアンスの強化になる
- 法律によって保存期間が定められているドキュメントがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1. 業務効率・生産性の向上に必要である
ドキュメント管理は、業務効率・生産性の向上に必要なものです。
先ほど触れたように、ドキュメント管理で目指すべき状態として、
- スムーズに活用、閲覧できる(活用・閲覧の段階)
- ドキュメントをすぐに参照できる(保管・保存の段階)
があります。
こうした状態になるよう、ドキュメントを適切に管理することで、誰もが必要な情報にスムーズにアクセスできるようになります。
そのため、日常的な業務の効率向上が期待できるとともに、生産性の向上につながるのです。
例えば、過去の提案書データにすぐにアクセスできれば、その提案書を参考にしながらスピーディーに新たな提案書を作成できるでしょう。
これまでに提案書を作成したことのない従業員であったとしても、過去の資料にアクセスできさえすれば、ある程度は独力で進められるはずです。
このように、業務効率・生産性の向上に向けて、ドキュメント管理は必要なものと言えます。
2-2. コンプライアンスの強化になる
ドキュメント管理が重要だとされる理由には、コンプライアンスも関係しています。コンプライアンスとは、主に企業が法律や規則、定められたルールを守ることを指します。
ドキュメント管理におけるコンプライアンスの強化は、関連する文書を正しく作成し、改ざんや紛失を防ぐことで文書の透明性を担保することです。
例えば、電子帳簿保存法に関する税関係の監査があったとしましょう。電子帳簿保存法では、以下のようなドキュメント管理の要件が定められています。
【電子帳簿保存で定められている要件】真実性の確保 | 保存データが改ざん、削除されてないことを担保する |
---|---|
可視性の確保 | 保存データを検索、表示できるように正しく管理されている |
検索機能の確保 | 「年月日」「金額」「取引先名」で検索でき、検索において、取引年月日・金額の範囲を指定できる。また、検索の際、任意の記録項目を2つ以上組み合わせられる |
企業は、上記の要件を守り、求められるドキュメントをすぐに提出できるようにしておかなければなりません。
もしも、保存法に規則性がない、ずさんな管理を行っていれば、必要なドキュメントをすぐに提出できない場合もあるでしょう。悪くすれば、脱税などを疑われる結果にもなりかねないのです。
このような事態を招かないためにも、ドキュメント管理は重要になるのです。
2-3. 法律によって保存期間が定められているドキュメントがある
ドキュメントのなかには、法律によって保存期間が定められているものもあります。企業法や税法上で定められた保存期間であり、主に以下のような定めがあります。
文書の種類 | 保存期間 |
---|---|
帳簿書類 |
10年 |
法定帳簿、決算関係書類 |
7年 |
現金預金取引等関係書類(領収書、預金通帳、借用証など) |
7年 |
請求書、見積書などその他の書類 |
7年 |
事業報告、有価証券届出書・有価証券報告書 |
5年 |
一言で保存期間が定められているといっても、書類の種類によって保存期間は異なります。
しかし、ドキュメントが正しく管理されていない場合、全てのドキュメントが年度ごとに大雑把にまとめられているケースも考えられます。
一番上部に事業報告のドキュメントがあった場合「事業報告書の保存期間は5年だから、もうこのフォルダのドキュメントは全部処分しても大丈夫」と早とちりしてしまうこともないとは言えません。
実際には異なる種類のドキュメントが保存されていたのであれば、決算関係書類や帳簿書類は、まだ保存が必要なのに破棄されてしまうことになります。
上記は極端な例ですが、適切な管理ができていなければ方々で間違いが起こりやすいことは事実です。
このような間違いを起こさないためにも「ドキュメントごとに保存期間を把握し、適切な時期に破棄をする」というライフサイクルを意識した管理が求められるのです。
3. ドキュメント管理を適切に行う2つのメリット
ドキュメント管理を適切に行えば、企業にとって大きなメリットもあります。実際のところ、どれだけ重要だといわれても、身近なメリットがなければ続けることが難しいものですよね。
ここでは、ドキュメント管理を行うことで得られる、2点のメリットについて解説していきます。
・必要な情報をすぐに見つけられるので業務効率が向上する
・情報漏洩・文書紛失などのリスクを回避できる
それぞれ、例など交えながら詳しく見ていきましょう。
3-1.必要な情報をすぐに見つけられるので業務効率が向上する
ドキュメント管理を適切に行う1つ目のメリットは、必要な情報を迅速に見つけられることで業務効率が向上することです。
業務に限らず、日常的に利用するものは、すぐに手にできる場所に置いておくものですよね。ドキュメント管理においても同じことがいえます。
適切な管理をすると、保管場所が集約されたり、ファイル名のルール化により検索性が上がったりします。これによって、必要な情報にすぐアクセスできるようになり、結果的に業務に使える時間を増やすことが叶います。
一方、適切な管理がされていない状態だと…
ドキュメントがさまざまな媒体や個人のローカル領域に保存されている場合もあります。
もしも個人のローカル領域に保存されていれば、どれだけ共有ストレージを探しても目的のドキュメントを見つけることは叶いません。
散々探した後で、同僚から「自分のパソコンに入っていた」などと言われれば、探していた時間は全くの無駄な時間になってしまいます。
ドキュメント管理がきちんと行われていれば、保存場所も集約され、上記のような事態を未然に防げるのです。
3-2. 情報漏洩・文書紛失などのリスクを回避できる
ドキュメントを適切に管理することで、情報漏洩や文書紛失などのリスクを回避することも叶います。
データによる管理の場合は、アクセス制限や閲覧制限などを活用すれば、関係者以外は重要なドキュメントまでたどり着けないからです。
企業が扱う秘匿性が高いドキュメントとしては、以下のようなものが挙げられます。
【企業が扱う機密性の高いドキュメント一例】
ドキュメントの種類 | 具体的な書類 |
---|---|
個人情報が含まれるドキュメント |
履歴書 顧客情報 顧客情報が含まれたアンケートなど |
企業の機密情報が含まれるドキュメント |
契約書 企画書 会議の議事録 見積書 各種帳簿 |
これらのドキュメントは、万が一流出や紛失があった場合、企業にとって大きな痛手となります。顧客や取引先からの信頼が落ちることはもちろん、損害賠償の恐れ、場合によっては刑事罰が科される可能性もありえるのです。
しかし、ドキュメントを適切に管理できていれば、
- 履歴書にアクセスできるのは人事部長のみ
- 契約書にアクセスできるのは法務部のみ
というように、必要最低限の人だけが閲覧できる状態になるはずです。
これにより、流出や紛失の可能性は限りなく低く抑えられます。リスクを最小限に抑えられることは、企業を運営していく上で非常に大きなメリットといえるでしょう。
4. ドキュメント管理はすぐに取り組まないと危険!ずさんな管理が引き起こす3つのリスク
ドキュメント管理は重要で、適切に管理することで大きなメリットも得られます。一方、ずさんな管理を行ってしまうと、非常に大きなリスクを引き寄せる結果になりかねません。
ドキュメント管理を行う必要性をしっかりと把握するためにも、ここからは以下3つの考えられるリスクを見ていきましょう。
- ドキュメントを探すだけで時間がかかる
- 盗難・紛失の原因を特定できない
- 電子帳簿保存法を違反する可能性もある
それぞれ詳しく解説していきます。
4-1. ドキュメントを探すだけで時間がかかる
1つ目のリスクは、ずさんな管理を行うとドキュメントを探すだけで時間がかかる点です。
管理ができていないと、同じ種類のドキュメントが毎回違う場所に保存されていたり、ファイルの名前が違って1度で検索できなかったりする状態になります。
大量にあるドキュメントの中から、必要なドキュメントを探し出す際、整理されていなければ何がどこにあるのか全く分からない事態になるのです。
業務時間が圧迫されるだけではなく、間違えたドキュメントを活用しようとしたり、探した後を散らかしたままにしたりすることも考えられます。
結果的に、業務効率の低下や生産性の低下につながることになるのです。
4-2. 盗難・紛失の原因を特定できない
ずさんなドキュメント管理で考えられる2つ目のリスクは、万が一盗難や紛失があった場合に原因を特定できない点です。
ずさんなドキュメント管理をしていると、重要なドキュメントが、誰でもアクセスできるフォルダに格納されるかもしれません。これでは、権限がない人が内容を確認したり、外部ストレージ にコピーされたりしても分からないままです。
本来は扱う権限がない社員が機密性の高いドキュメントを持ち出しても、持ち出しに気付くことさえできない可能性があります。
そして、後日そのドキュメントを探したが見つからない…となった時、見つからない理由が誰かが持ち出したのか、誤って破棄してしまったのかを特定することもできないのです。
責任を追及することはもちろん、盗まれたドキュメントを取り返すことも難しくなるでしょう。
コンプライアンス違反であることはもちろん、情報の漏洩が現実になれば企業の信頼は大きく下がります。
場合によっては事業の継続が難しくなることも考えられるため、ずさんなドキュメント管理は非常に大きなリスクをはらんでいるのです。
4-3. 電子帳簿保存法を違反する可能性もある
3つ目のリスクは、電子帳簿保存法を違反する可能性がある点です。電子帳簿保存法とは、税務関係の帳簿や書類を、電子データで保存する際のルールを定めたものを指します。
紙で文書管理をしている場合は基本的に関係ありませんが、データでドキュメント管理を行っているのであれば、守らねばならないルールです。
ずさんな管理で電子帳簿法を違反する可能性では、主に以下が挙げられます。
- ファイル名がバラバラで検索要件が満たせていない
データでドキュメントを管理する場合、取引年月日・取引先名・取引金額の3つの項目で検索できるようにしていなければなりません。
【ファイル名の一例】
しかし、ドキュメント管理がずさんな場合、ファイル名のルール化がなされていないことが考えられます。
例えば以下のようにファイル名が付けられていれば、日付と取引金額の項目が満たされません。
【NGファイル名の一例】
これでは、電子帳簿保存法に違反してしまうことになるのです。電子帳簿保存法を違反すると、青色申告の承認が取りけされたり、追徴課税の対象になったりします。
知らなかったでは済まされないため、ドキュメント管理がずさんだと感じるのであれば、今一度正しい管理方法を確認してみましょう。


5. ドキュメント管理の基本的なやり方
では実際のところ、ドキュメント管理とはどのように行うものなのでしょうか。どれだけドキュメント管理が重要で、不適切な管理にデメリットがあると分かっても、基本的なやり方が分からないままでは話になりません。
ここからは、ドキュメント管理の基本的なやり方について、おさらいしていきましょう。
5-1. ドキュメント管理における目的を明確にする
ドキュメント管理を行うため、最初に必要なことはドキュメント管理の目的を明確にすることです。目的を明確にし、得られるメリットを周知することで、社員もドキュメント管理へのモチベーションを上げられるのです。
上司がドキュメントの管理を行うようにと、一方的に決めても、日常的にドキュメント管理を行うのは現場の社員です。なぜ行う必要があるのか分からない業務を、ただ仕事だからと漫然と行っていても業務効率を上げることはできません。
また、目的や必要性を理解していなければ、管理の手を抜くことも考えられます。そのため、まずはドキュメント管理を行う目的を明確にし、社員にもドキュメント管理の必要性を理解してもらう必要があるのです。
ドキュメント管理で掲げられる目的は、主に以下のようなものが挙げられます。
- 業務効率の向上
- 生産性向上
- コストの削減
目的を明確にし、ドキュメント管理のメリットに目を向けさせることで、スムーズな導入を叶えられるはずです。
5-2. ドキュメント管理のルールを策定
目的を明確にした後は、ドキュメントの管理ルールを策定しましょう。ドキュメントの活用は、一部の部署だけが行うものではなく、複数の部署を渡って活用されることもが多い傾向にあります。
そのため、ルールを明確にしておかないと、部署ごとでドキュメントの管理方法が異なることになるのです。部署ごとで異なるルールを定めてしまえば、部署を渡ってドキュメントを活用する際にスムーズな利用が不可能になります。
まず、最低限決めておくべきルールは、以下のようなものが挙げられます。
ライフサイクルの段階 | 決めておくべきルール |
---|---|
発生 |
作成するドキュメントのフォーマット、ファイル名の付け方をルール化。 申請~承認が必要なドキュメントを作成する際のワークフローを決めておく |
活用 |
第三者への流出を防ぐため、ドキュメントへのアクセス権・閲覧権の設定。付け忘れを防ぐため、権限付与のタイミングを決めておく |
保管・保存 |
保管・保存時のファイル形式、フォルダ、保存期間が法で定められていないドキュメントの保管・保存期間を明確にしておく |
破棄 |
ゴミ箱に移動するだけでは不可など、破棄の方法を明確にしておく |
上記のルールはあくまでも最低限のルールです。企業ごとで自社に合ったルールを策定しましょう。
5-3. ルールに沿ってドキュメントを管理する
ドキュメント管理のルールを策定したら、策定したルールに則ってドキュメントを管理していきましょう。ここでポイントとなるのが、ルールの徹底した周知です。
この時点で定めたドキュメント管理のルールは、基本的なものになります。基本的なルールだからこそ、ドキュメントを用いる社員全員がルールを守らなければなりません。せっかくルールを定めても、守られなければ意味がないからです。
例えば、ファイル名の付け方をルール化したのに、周知が不足していたせいで誰も守らないようでは、結局のところ検索性が低いままになってしまいます。このようなことにならないよう、ドキュメントに関わる社員の全てが、ルールを守る必要があるのです。
スムーズなドキュメント管理を進めるためにも、実際にドキュメント管理を行う際には、事前にルールの共有を徹底しましょう。
6. ドキュメント管理を適切に行うための4つのポイント
続いてはドキュメント管理を適切に行うためのポイントを見ていきましょう。ドキュメント管理のやり方を理解するだけではなく、ポイントを把握しておくことでより効率的な管理を行えます。
ここで紹介するのは、以下4つのポイントです。
- ドキュメントのライフサイクルを意識する
- 管理のルールを定期的に見直す
- 管理のルールはできるだけ簡潔にする
- ドキュメントの保存期間を設定しておく
上記のポイントは、紙・データに関わらず有効なポイントから、文書管理などのシステムを利用している際に利用できるポイントの2つに分けられます。それぞれの管理方法の違いも意識しながら参考にしてください。
6-1. ドキュメントのライフサイクルを意識する
ドキュメント管理を効率的に行うために、管理するドキュメントのライフサイクルを意識しましょう。
各段階で適切な状態を保つことで、効率的なドキュメントの管理だけではなく、業務の検証や説明責任を果たせるためです。
以下、それぞれの段階の適切な状態を見てみましょう。
【ライフサイクルの段階ごとで保つべき適切な状態】
発生 |
ドキュメント作成のプロセスを残す。作成日や更新日、作成者名が分かるようにしておく |
---|---|
活用 |
破損・汚損・紛失を防ぐ。また、関係のない第三者がドキュメントにアクセスしないよう工夫する |
保管・保存 |
保管と保存を分けて考える
個人と企業のドキュメントを分けて保管・保存する |
破棄 |
破棄とは必要がなくなったドキュメントを再現不能にすること。 保存期間が過ぎても、裁判や公的な何らの査察の可能性がある場合は延長の義務があるため、法で定められた期間が過ぎた場合でも、機械的な破棄が許されないケースがあることを知っておく必要あり |
ドキュメント管理は単純に作成~破棄の段階を踏むだけではなく、ライフサイクルごとで意識すべき点が多々あります。
優先順位や重要度、ライフサイクルごとの適切な状態を確認しながら、ドキュメントの管理を行っていきましょう。
6-2. 管理のルールを定期的に見直す
ドキュメント管理を始める前に、まずはルールを策定すべきだと解説しました。しかし、ドキュメント管理は時間がたつことによって、変更が必要なケースもあります。
法律が変わったり、今まで扱ってこなかったドキュメントの管理が必要になったりするなどですね。
状況が変わっているのに、今までと同じルールでドキュメント管理を行っても上手く行きません。無理に従来のルールに当てはめようとすることで、かえって管理に時間がかかることもありえます。
ドキュメント管理に限らず、企業が扱う業務は時代やそのときの状況によって変更が必要になるケースも十分に考えられるのです。
そのため、管理のルールは定期的に見直して、無理のない管理を行っていきましょう。
6-3. 管理のルールはできるだけ簡潔にする
ドキュメント管理を効率的に行うポイントとして、管理のルールはできるだけ簡潔かつ、複雑にしすぎない点が挙げられます。
なぜなら、最初から厳密にルールを策定してしまうと、柔軟性がなくなってしまうからです。
先述したように、ドキュメント管理に限らず、企業が扱う業務は時代やそのときの状況によってやり方を変えなければいけないケースもままあります。しかし、ルールを厳密にしすぎてしまうと、変更の余地がなくなってしまう恐れがあるのです。
また、複雑すぎるルールにしてしまうと、ルールを守りたくても守れないケースも出てくるでしょう。ドキュメント管理でルールを策定するのは、誰もが同じやり方を簡単に行えるようにする目的もあります。
管理のルールを決める際には、できるだけ簡潔に、誰であっても理解しやすいかも意識しましょう。
6-4. ドキュメントの保存期間を設定しておく
発生したドキュメントの保存期間を設定しておく方法もおすすめです。先述した法律によって保存期間が定められているドキュメントはもちろん、保存期間が定められていないドキュメントも同じです。
企業では日々さまざまなドキュメントが作成・送付されています。これらすべてのドキュメントを保存し続けていると、保存するツールによっては、容量を圧迫することで動きが悪くなってしまうことがあるのです。特にExcelはファイルサイズが増えすぎると、確実に動きが重くなります。
そのため、ドキュメントごとに保存期間を定め、保存期間を過ぎたものは速やかに破棄するようにしましょう。文書管理ツールなどを用いていれば、保存期間を設定することで期限を過ぎたドキュメントは自動的に破棄されます。
一つ一つのドキュメントを破棄することが難しい場合は、ツールの導入を考えてみるのもおすすめです。いずれにせよ、ドキュメントのライフサイクルを把握するためにも、適したタイミングでドキュメントの保存期間を設定しておきましょう。
7. ドキュメント管理をすぐに実践するのが難しい場合はツールの利用がおすすめ
ドキュメント管理を適切に行うことは、業務効率や生産性を向上するだけではなく、リスクを回避するためにも重要なことです。
適切なドキュメント管理を行うには、手順を踏みつつ一歩一歩進めていけば、問題なく適切な管理ができるはずです。
しかし、一歩ずつ進めていけばOKということは、裏を返せば今すぐ実践することが難しいということでもあります。実際のところ、ドキュメント管理のルールを一から考え、関係社員に周知させることは一朝一夕には行えません。
まして、周知させたとしても、今までのやり方と異なれば、社員全てがドキュメント管理のやり方に慣れるまでには時間がかかります。ドキュメント管理を徹底できるまでに時間がかかれば、ずさんな管理によるリスクを被る可能性も上がっていくでしょう。
リスクを回避し、できるだけ速やかにドキュメント管理を行うためにおすすめになるのが「文書管理システム・ドキュメント管理システム」と呼ばれる、管理ツールの活用です。ドキュメント管理システムとは、文字通りドキュメントを管理するために便利な機能が搭載されたシステムを指します。
ドキュメント管理ツールでできること | 概要 |
---|---|
検索機能 |
多くのドキュメント管理ツールでは、全文検索と呼ばれる、ドキュメント内のすべての文書を対象に検索できる機能が備わっています。そのため、ファイル名を失念したとしても、関連するキーワードから該当のドキュメントや必要な情報を見つけられるようになるのです。 |
期日管理機能 |
指定期間の事前通知を行う機能が備わっている場合もあります。書類の期日を把握しきれていない場合は必須の機能です。 |
アクセス権限機能 |
ユーザーごとで街頭のドキュメントへのアクセス可否を設定できます。重要文書などは特定の人しかアクセスできないように設定することで、情報の引き抜きを事前に防げるようになります。 |
保管・保存機能 |
ドキュメントの種類や部署ごとに分けて保管・保存できる機能。ドキュメントが分散して保管・保存されなくなるため、ドキュメントを探しやすくなるでしょう。 |
セキュリティ機能 |
ドキュメントへのアクセス履歴を残せるようになることで、誰がどのドキュメントに何をしたのかがわかるようになる。またファイルの暗号化やPDFへの透かし処理など、さまざまなセキュリティ機能によりドキュメントの流出や不正な利用ができなくなります。 |
優秀な検索性や、高いセキュリティ性を備えているため、労せず適切なドキュメント管理が叶うでしょう。おすすめのドキュメント管理ツールや選び方は「ドキュメント管理ツールおすすめ16選!作成・保存など用途別に紹介」の記事で解説しているので、こちらも参考にしてください。
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-
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期日管理は90日前から設定できるため、長期のプロジェクトで用いるドキュメント管理でも利用しやすくなっています。
-
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8. まとめ
本記事ではドキュメント管理の重要性から、効率的に管理するためのポイントまで解説してきました。思っていた以上に重要な業務であったことが分かり、驚いた方も多いのではないでしょうか。
ここで、もう一度ドキュメント管理の一連の流れについておさらいしてみましょう。
- 発生
- 活用
- 保管、保存
- 廃棄
これらの一連の流れを、滞ることなくスムーズに回るよう総括的に管理することが「ドキュメント管理」の基本です。
ごく当たり前のことのように感じますが、適切なドキュメント管理は業務効率の向上や、情報漏洩・紛失を予防する効果も見込めます。地味な業務だからこそ、日々の積み重ねによって「やる・やらない」の差も大きくなります。
今一度ドキュメント管理の重要性を正しく把握し、適切な管理が行えているか見直してみましょう。