JIIMA認証は電子帳簿保存法を満たす証!基本をわかりやすく解説
公開日:2024/11/22
「JIIMA認証とは何だろう?認証を受けたソフトでないと電子帳簿保存法違反になってしまうのだろうか?」
「そもそもJIIMAが認証したソフトとは、何をどう認証しているのか?」
上記のようなお悩みを抱えていませんか?
データ化・ペーパーレス化に対応するため、どのようなシステムを選ぶべきかを調べる中で「JIIMA認証ソフトを選ぶべき」と書かれている記事が多い傾向にあります。しかし、そもそも「JIIMA認証」とは何なのか、いまいちわかりづらいですよね。
JIIMA認証とは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が、市販のソフトをチェックし、電子帳簿保存法の要件を満たしていることを担保(認証)する制度です。
市販のソフトのパッケージやHPに「JIIMA認証」「JIIMA認証済」と記されていれば、電子帳簿保存法に関して詳しく理解していなくても、法令に準拠した税務処理業務を行えることを示しているのです。
ただ一言でJIIMA認証といっても、JIIMA認証には、満たしている電子帳簿保存法の法的要件ごとに5つの種類があります。
このため、例えば紙ベースの書類をスキャナ保存する際のシステムを必要としているのに、光ディスク用の認証を選んでは、安心してシステムを利用することはできません。
そこで必要になるのが、JIIMA認証の種類や、ぞれぞれの認証がどの法的要件に対応しているのかを知ることです。
そのため、本記事では以下について解説していきます。
この記事で分かること |
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本記事を読むことで、JIIMA認証とは何かを根本から理解し、より自社に合ったシステムやソフトを判断しやすくなるはずです。
ぜひ最後まで読み進めてください。
1. 『JIIMA認証』とは電子帳簿保存法の法的要件を満たしている証
JIIMA認証とは、JIIMA(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会)が電子帳簿保存法の法的要件を満たしたソフトであることを認証する制度です。
企業が開発したソフトをJIIMAに申請し、申請されたソフトが正しく電子帳簿保存法の法的要件を満たしているかをチェックしているのです。
認証されたソフトには「認証マーク」が表示できるようになるため、パッケージを見るだけで簡単に判別できます。
JIIMA認証制度が始まる前は、各ソフトが電子帳簿保存法の法的要件を満たしているかを、各自で判断するしかありませんでした。しかし電子帳簿保存法の法的要件は多岐にわたり、また正しく把握するには時間がかかります。
もしも適していないソフトを選べば、導入コストを無駄にしてしまうだけの結果に終わりかねません。
これらの事情を鑑み、第三者による選別が必要とされたことから、JIIMAによる認証制度が生まれたのです。
2. JIIMAが認証する電子帳簿保存法の法的要件
JIIMA認証が、電子帳簿保存法の法的要件を満たすことを認証していることが分かりました。では実際のところ、電子帳簿保存法で守るべき法的要件とは、どのようなものを指すのでしょうか?
JIIMA認証ソフトを利用すれば、法的要件を詳しく把握していなくても、税務処理業務を確実に行うことは可能です。しかし、先述したようにJIIMAが認証する法的要件には種類があります。
全く理解していないままでは、見当違いのソフトを導入することも考えられます。すべてを理解する必要は無くとも、概要を把握しておきましょう。
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2-1. 電子取引に関する要件
電子取引とは、そのまま電子(データ)で行われる取引全般を指します。まずは、電子取引における要件を確認してみましょう。
電子取引に関するデータの保存に関する要件 ・システムの概要、取扱説明書など関係書類を備え付ける(自社開発のシステムに限る) ・見読性の確保 ・検索機能の確保 下記のいずれかの措置を行う
・タイムスタンプが付された後に受け取る
・データを受け取った後速やかにタイムスタンプを付す
・データの訂正削除ができない、または訂正削除の記録が残るシステムを使う
・訂正削除の防止に関する事務処理規程の備付け電子データの保存に関する要件で、初めに必要とされるのはシステムの概要、取扱説明書を備え付けることです。必要なデータを誰でも取り出せるよう、システムの操作に必要な情報をすぐ取り出せるようにしておくことが求められます。
続いて、見読性とは文字通り「見」えて「読」めることを指します。簡単な例を挙げれば、スキャナで取り込んだり、縮小したりした場合でも、1文字1文字を判別できてスムーズに読めるように整えておくことです。
検索機能の確保も文字通りの意味です。「取引年月日」「取引金額」「取引先」の3つの要素から検索できるように整備しておく必要があります。
タイムスタンプやデータの訂正削除に関しては、真実性の確保を指します。残されているデータが、改ざんされないための対策を求められているのです。
電子取引データの保存に関する要件は、電子取引データ以外の電子帳簿保存法に関する要件でも必ず求められます。すべての要件を覚えることができなくとも、上記4つの要件だけは覚えておきましょう。
【電子取引データの具体例】
なお、電子取引データの保存要件とは、電子帳簿保存法の区分のひとつです。具体的には以下のようなものが電子取引に当たります。
- ・電子メールによる発注書・請求書のやり取り
- ・クラウドサービスによる電子書類のやり取り
- ・HPからPDFなどをダウンロード
- ・ペーパーレス化されたFAXによるデータのやり取り
法改正により2024年1月1日から、電子取引のデータ保存はほぼすべての事業者に対して義務化されました。
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2-2. 電子帳簿・電子書類に関する要件
国税に関する帳簿や書類を、電子データで保存する際に求められる法的要件になります。以下、要件の内容を詳しく見てみましょう。
電子帳簿・書類に関する保存要件 要件概要 帳簿 書類 記録の訂正・削除を行った際に訂正・削除内容を確認できる - - 通常の業務処理を行った後、別個に入力を行った場合にその事実が判別できる - - 電子化した記録帳簿と、関連するその他の帳簿記録に関連性が確認できる - - システム概要書、取扱説明書などシステム関係書類などの備え付け 〇 〇 保存場所に、電子計算機(パソコン等)、プログラム、ディスプレイ、プリンター、併せてこれらの操作マニュアルを備え付け、記録内容を明瞭かつ速やかに出力できる 〇 〇 検索要件 取引先・取引年月日・取引金額によって検索できる - - 日付、または金額の範囲指定により検索できる - - 2つ以上のキーワードを組み合わせて検索できる - - 税務職員が求めた際、電磁記録のダウンロードに応じられる 〇 〇 求められる要件の内容は、基本的に「電子データの保存に関する要件」と同じですが、より細かく定められていると考えればよいでしょう。
対象となる帳簿・書類はどちらも「自己がコンピューターを使用して作成する帳簿・決算関係書類」です。
具体的には以下のような帳簿・書類が挙げられます。
【電子帳簿】
- ・仕訳帳
- ・総勘定元帳
- ・現金出納帳など
【書類】
- ・発注書
- ・請求書
- ・見積書
- ・損益計算書
- ・賃借対照表など
なお、上記表における帳簿の要件は最低限満たすべき要件です。要件のすべてを満たすと「優良な電子帳簿保存」と認められ、以下のような優遇措置が受けられます。
【優良な電子帳簿保存に認められた優遇措置】
- ◎過少申告加算税の軽減措置
- ◎青色申告特別控除額の増額
JIIMAに認証されているソフトは、すべて「優良な電子帳簿保存」を満たしています。JIIMAに認証されたソフトを選んでおけば、個別に確認などをすることなく優遇措置を受けられます。
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2-3. スキャナ保存に関する要件
電子帳簿保存法におけるスキャナ保存は、取引先から受け取った紙の書類や、自己で作成した取引相手に交付する紙の書類の控えをデータ化して保存する際に適用されます。
以下、要件を詳しく見てみましょう。
スキャナ保存に関する要件 一定水準以上の解像度、およびカラー画像での読み取り 解像度(200dpi以上)による読み取り、またはカラー画像による読み取り。赤・緑・青それぞれ256階調(一般書類の場合はグレースケールでOK) 表示・印刷など見読性の確保 14インチ以上のカラーディスプレイ、カラープリンター、併せて操作説明書を備え付ける バージョンの管理 訂正、削除を行った場合、当該の事実、または内容を確認できる。または訂正・削除ができないシステムを用いる タイムスタンプの付与 入力期間内にスキャンデータにタイムスタンプを付ける 帳簿との相互関連性 書類に対応する帳簿との相互の関連性が確認できるか システムに関する概要書などの備え付け スキャナ保存するシステムなどに、概要書・取扱説明書など関連書類などを備え付ける スキャナ保存に関する要件では、データの保存状況だけではなく、スキャナのスペックも求められます。自社が利用しているスキャナが要件を満たせるかも確認しましょう。
なお、書類の区分に関しては以下のように分けられます。
【スキャナ保存における書類区分】
- 一般書類:資金や物に直接関係しない・連動しない書類(見積書・注文書など)
- 重要書類:資金や物に直接関係する・連動する書類(契約書・請求書・領収書など)
上記の区分に加えて、スキャナ保存を開始する前に受領、作成した重要書類は「過去分重要書類」として扱われます。過去分重要書類をスキャナ保存するには、別途、適用届出書を該当税務署署長などに提出する必要があるため注意しましょう。
3. JIIMAにおける5つの認証
JIIMAには5つの認証制度があります。そして、それぞれの認証を表すマークが異なります。
名前が似通っているため「どれでも同じなのでは?」と思いがちですが、認証内容が異なれば対応している法的要件も異なります。間違えないよう、それぞれが認証している法的要件とマークについて見ていきましょう。
3-1. 電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証
JIIMAにおける「電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証」とは、市販のスキャナ保存用ソフトの中でも、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」における法的要件を満たしていることを担保します。
電子帳簿保存法の法的要件の中でも、スキャナ保存は要件が細かく複雑です。都度、法的要件を満たしているか確認するよりも、JIIMA認証済みのソフトを使う方がおすすめです。
令和5年の法改正基準に準拠している認証マークは以下のとおりです。
紙ベースの帳簿や書類が多く、データ保存をする際にスキャニングのひと手間が必要な場合など、上記の認証マークを目印にすると良いでしょう。
3-2. 電子帳簿ソフト法的要件認証
「電子帳簿ソフト法的要件認証」は、国税関係の帳簿を作成・保存する際に必要とされる法的要件を担保します。
なお、電子帳簿保存法の中でも、電子帳簿に関しては一般と優良の2つのパターンがあります。JIIMAで認証されている電子帳簿ソフトは、優良な電子帳簿の要件を満たしているため、優遇措置を受けたい方にもおすすめです。
令和5年の法改正基準に準拠している認証マークは以下のとおりです。
データ保存だけではなく、国税関係の帳簿作成を必要とする場合は上記認証マークを目印にしてください。
3-3. 電子取引ソフト法的要件認証
JIIMAにおける「電子取引ソフト法的要件認証」とは、電子取引の取引情報を保存する際に、必要とされる法的要件を満たしたことを担保する認証です。
メールやクラウドシステム、HPからダウンロードした必要書類などのデータ保存が該当します。
電子取引によって送受信したデータは、データのまま保存することが義務化されています。既に宥恕期間も終えているため、法的要件のチェックに不安がある場合は、認証ソフトを利用した方が安心できるでしょう。
令和5年の法改正基準に準拠している認証マークは以下のとおりです。
メールなどインターネットを通じて、取引先とやり取りをすることが多い場合などにおすすめの認証制度です。やり取り内で発生した書類データの保存を円滑に進められます。
3-4. 電子書類ソフト法的要件認証
JIIMAにおける「電子書類ソフト法的要件認証」とは、国税に関する書類をコンピューターで作成し、紙で発行する場合の控えをデータとして保存する際の法的要件を担保しています。
自社はすでにデータ化に対応しているが、取引先に請求書や契約書などの書類を紙で請求されたときに該当する法的要件といえるでしょう。
「紙の書類として印刷したあとデータで保存」という2段階の工程があることから、電子書類ソフト法的要件認証制度のマークは3パターンに分けられています。マークだけで無作為に選ぶと、必要な機能が搭載されていないケースもあるため注意が必要です。
【電子書類ソフト法的要件認証のパターン】
- ・パターン1:決算関係の書類を作成・印刷、控えとして残すデータの保存まで行う場合
- ・パターン2:取引関係の書類を作成・印刷、控えとして残すデータの保存まで行う場合
- ・パターン3:取引関係書類の作成をしたあとに紙に印刷、控えのデータはほかのシステムで保存する場合
令和5年の法改正基準に準拠している認証マークは以下のとおりです。
取引先などから、変わらず紙の書類を発行してほしいと望まれた場合は、上記マークのソフトから選んでみてください。
3-5. アーカイブ用光ディスク認証
「アーカイブ用光ディスク認証」は、ここまで紹介してきた電子帳簿保存法とは少し主旨が異なります。
法的要件を担保する認証ではなく、 安全・安定的なデータの長期保存に関する製品品質を保証する認証です。
例えば図書館や博物館など、貴重な資料の紛失や欠損を防ぐために、データ化して保存するという方法が取られますよね。古文書をスキャンして、データを光ディスクで保存しているような場面をニュースなどで見たことがある方もおられるでしょう。
この際に使われる「ドライブ」とアーカイブ用である「光ディスク」の、製品品質を保証する認証マークです。
認証を受けたディスクとドライブの組み合わせを用いることで「電子化文書の長期保存方法」が定める良好な状態を保ちます。またディスクの推定寿命は30年以上とされます。
認証に用いられるマークは以下のとおりです。
日々の業務で利用するのではなく、長期保存を前提としたアーカイブ用のドライブや光ディスクが必要になった際、候補のひとつとして認証マークを確認してみましょう。
4. JIIMA認証済みのツールを導入するメリット
ここまでJIIMA認証とは何かについて解説してきました。では、実際に認証ソフトを使うことで、具体的にどのようなメリットを享受できるのでしょうか?
考えられるメリットとは、主に以下の3つになります。
JIIMA認証済みのツールを導入するメリット3選 |
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ここからは、JIIMA認証済みのツールを導入する具体的なメリットについて、それぞれ詳しく触れていきます。
4-1. 電子帳簿保存法を覚える手間を削減できる
1つ目のメリットは、事前に電子帳簿保存法を覚える手間を削減できる点です。
JIIMA認証済みのソフトを使えば、手順にのっとって作業を進めていくだけで、電子帳簿保存法に即した書類の作成や保存が叶うからです。
一方、認証済みのソフトを用いない場合は、複雑で覚えることが多い電子帳簿保存法の法的要件を、事前に覚えなくてはなりません。法的要件を覚えることはもちろん、小難しい要件を自力で噛み砕き、正しく理解する必要もあります。
独力だけで難しい場合は、電子帳簿保存法を正しく理解するためだけに、セミナーに参加する必要も出てくるでしょう。
時間的なコストを下げるためにも、認証済みのソフトを利用するメリットは大きいといえます。
4-2. 電子帳簿保存法違反のリスクを低減できる
2つ目のメリットは、電子帳簿保存法違反のリスクを低減できることです。最初から法的要件を満たしていることが認証されているため、違反を犯すリスクが非常に低くなっています。
なお、電子帳簿保存法に違反した際の罰則は、主に以下の3つです。
電子帳簿保存法を違反した場合に考えられる罰則 |
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上記のような金銭的なペナルティの他にも、会社自体の信用が落ちることも考えられます。なお、これらの罰則は故意・過失の別がないため「知らなかった」「気づかなかった」では済まされません。
違反をしないことはもちろん、罰則を回避するためにも、JIIMA認証済みのソフトを使うメリットは大きいのです。
4-3. 法的要件の確認が不要なので時間的なコストを削減できる
3つ目のメリットとなるのが、法的要件の確認が不要になるため、時間的なコストを下げられる点です。
電子帳簿保存法を事前に覚えなくて良いメリットと併せて、JIIMA認証済みのソフトを使う大きなメリットといえます。
電子帳簿保存法の法的要件は非常に複雑で適用される幅が広いため、確認をするだけでも大変です。慣れていない間は、どこを確認すべきかを判別するだけでも時間がかかります。
しかし、JIIMA認証済みのソフトを導入していれば、自動で法的要件を満たしてくれるため、確認の必要がありません。時間的なコストはもちろん、人的コストの削減も期待できます。
5. JIIMA認証済みのツールを導入する前に知っておくべき注意点
どのようなツールでも同じですが、メリットだけのツールという物はなかなか存在しません。JIIMA認証済みのツールも、導入する前に知っておくべき注意点があります。
導入後に注意点に気が付き「もっと便利に使えるはずだったのに」と後悔をしても後の祭りです。新しいツールをより便利に使うためにも、メリットだけではなくデメリットや注意点も把握しておきましょう。
5-1. 認証には有効期限がある
JIIMAが認証するソフトには、有効期限があります。電子帳簿保存法自体が改正されることも多いため、認証されたソフトを一度購入すれば、それだけでずっと法的要件を満たしているとは限らないのです。
もちろん、電子帳簿保存法が改正された場合など、アップグレードが行われるソフトもあります。ただ、何もしないまま永続的に利用できると妄信しないことが大切です。
認証マークには、どの時点の法令基準を満たしているのかも記載されているため、併せて確認してみましょう。
出典:「AI電子帳票管理システム OPTiM 電子帳簿保存」
なお、認証が切れたソフトであっても続けて利用することは可能です。JIIMA認証以外のソフトと同じく、都度、電子帳簿保存法の法的要件を満たしているか確認しましょう。JIIMA認証以外のソフトを利用しても法律違反にはあたりません。
5-2. JIIMA認証済のツールでも使いやすさや内容は別途確認する
JIIMAの認証は、あくまでも電子帳簿保存法の法的要件を満たしていることを担保するものです。
そのためツール自体の利便性や、優秀なソフトであることを認証しているわけではないことを知っておきましょう。
また、優秀なツールであれば、どの会社でも使いやすいとは限りません。そもそもツールにおいては、会社や業務内容によって優秀の定義そのものが異なります。
「JIIMA認証済みのツールなのに使いにくいな」と感じるのであれば、自社に合ったツールを選べていないのです。認証以外でツールを選ぶポイントは後述するので、ぜひそちらも確認してください。
6. 帳票をデータで管理するならJIIMA認証を受けたツールを導入すべき
帳票をデータで管理すると、紙やペンなどのコストを抑えられます。また、紙ベースの書類を保存するため、キャビネットなどを置く必要が無いことから社内のスペースを広く使うこともできます。
このように多くのメリットがあるデータ化ですが、適切に保存するには電子帳簿保存法への深い造詣が必要です。万が一電子帳簿保存法違反をしてしまえば、さまざまな罰則を受ける恐れもあります。
では帳票のデータ化を行う上で、デメリットを抑えメリットを最大限に生かすには何が必要なのでしょうか?一つの答えが、「JIIMA認証」のツールを導入することです。
JIIMA認証済みのツールであれば、電子帳簿保存法の法的要件を満たしたデータの作成・保存が簡単に叶います。
時間をかけてツールを選び、コストをかけて導入・運用していくのであれば、より業務効率を上げられるツールを選ぶべきです。
JIIMA認証済みのツールを導入して、ヒト・モノ・カネのコストを下げていきましょう。
7. JIIMA認証済みソフトの中から自社に合ったソフトを選ぶポイント
ここからは、JIIMA認証済みのソフトの中から、より自社に合ったソフトを選ぶポイントを解説します。
先述したように、JIIMA認証済みのソフトであれば、すべてのソフトが自社にとって使いやすく優秀なソフトとは限らないのです。
電子帳簿保存法の法的要件を確認しなくて済んでも、ソフトの使い勝手が悪いようでは、業務効率を大幅に向上させることはできません。
以下、4つのポイントを確認しながら、自社に合ったソフトを選んでいきましょう。
JIIMA認証済みソフトから自社に合ったソフトを選ぶ4つのポイント |
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7-1. 直感的な操作が可能か
まずは、ソフトを直感的に操作できるかを確認しましょう。
なぜなら、すべての人がソフトをスムーズに扱えるとは限らないからです。
難しい操作や専門的な知識が必要なソフトでは、ごく一部の人しか使えない恐れがあります。属人的な業務になってしまえば、ソフトやツールを導入する意味が半減してしまいます。
また、担当者が使いにくいと感じるソフトでは、かえって業務効率を下げるだけです。
直感的な操作ができるソフト、またはUIがシンプルなソフトを選ぶと、習得までの時間的なコストも下げられます。
7-2. 自社に合った料金プラン・価格設定
電子帳簿保存法に対応したソフトを選ぶ際には、自社に合った料金プラン・価格設定かも重要なポイントです。
基本的に継続して使うソフトになるため、無理なく料金を支払えるかをしっかりチェックしましょう。
ソフト導入にかかる料金プランの例は、以下のようなものがあります。
ソフト導入の料金プラン一例 | |
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従量課金タイプ | 基本料金+書類の登録件数に応じて料金が変わるプラン |
基本料金+アカウントや利用人数によって料金が変わるプラン | |
月額固定タイプ | 初期費用+月々決まった料金を支払うプラン |
せっかく新しいソフトを導入するからと、多機能・高額なソフトを導入しても、使いきれなかったり継続できなかったりするようでは意味がありません。
自社の規模やデータ化する内容に合わせた、適切な料金を選びましょう。
7-3. 既存システムとの連携が可能か
帳簿や書類の作成は既存のシステムで行い「保存」に特化したシステムの導入を検討しているケースもあるはずです。
この場合は、特に既存システムとの連携が可能かをチェックしてください。
導入はできたけれど、既存システムと直接的な連携ができないようでは、かえって手間が増えてしまう可能性があります。
なお、システム同士の連携が可能かは、導入予定のソフトのパッケージや公式サイトで確認が可能です。
7-4. 自社に必要な機能があるか
根本的な確認事項ですが、導入予定のソフトに自社に必要な機能があるかもしっかり確認しましょう。必要な機能が無ければ、ソフトを導入しても使いようがありません。
機能面を見落としてしまう原因としては、ソフトの導入目的が明確に定まっていないケースが挙げられます。
そのため、ソフトの選定を始める前に、まずソフトを導入する目的を明確にし、目的を達成するために必要な機能を洗い出しておきましょう。
効率化したい業務、データ化したい帳簿や書類の種類ごとで考える方法もおすすめです。必要な機能を明確にした上で、対応したソフトを選んでいきましょう。
8.【JIIMA認証済み】帳簿の保存なら「OPTiM 電子帳簿保存」がおすすめ!
帳簿をデータで管理したいと考えるのであれば、JIIMA認証済みソフトである「OPTiM 電子帳簿保存」がおすすめです。
電子帳簿保存法の「電子取引」「スキャナ保存」に対応、JIIMA認証済みなので、難しい電子帳簿保存法の法的要件を確認することなくデータによる保存が叶います。
取引情報の内、対応している書類の一例は以下のとおりです。
- ・請求書
- ・領収書
- ・注文書
- ・見積書
- ・送り状など
一般的なソフトで対応できる書類はもちろん、送り状まで対応できるため、細やかなデータや文書まで管理することが叶います。また、AI機能を搭載しているため、台帳記入や必要な情報の検索もAIに任せられます。
なお、特筆すべきはコストパフォーマンスの良さ。無料トライアルの時点から、ユーザー作成上限数・ファイル容量上限数が無制限です。月額9,980円(税抜き・2024年10月現在)のスターターS1以上のサービスを購入すれば、ファイル保存期間も無制限になります。
今までデータ保存・紙ベースによる保存が混在していたが、データ保存に統一したいと考える方にこそ、おすすめのソフトだといえます。
まとめ
JIIMA認証とは何を認証しているのか、そもそもJIIMAとは何か?という疑問についてお答えしてきました。
JIIMAとは「公益社団法人日本文書情報マネジメント協会」を表していること。認証ソフトを用いることで、電子帳簿保存法の法的要件を自身で確認しなくてよいことなど、多数のメリットがあることを分かっていただけたことと思います。
最後に本記事の内容を軽くおさらいしておきましょう。
■JIIMAが認証する電子帳簿保存法の法的要件
- ・電子取引
- ・電子朝護・書類
- ・スキャナ保存
■JIIMAにおける5つの認証
- ・電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証
- ・電子帳簿ソフト法的要件認証
- ・電子取引ソフト法的要件認証
- ・電子書類ソフト法的要件認証
- ・アーカイブ用光ディスク認証
■JIIMA認証済みのツールを導入するメリット
- ・電子帳簿保存法を覚える手間を削減できる
- ・電子帳簿保存法違反のリスク低減できる
- ・法的要件の確認が不要・時間的なコストを削減できる
JIIMA認証は、企業や個人が帳簿や書類をデータ化して保存するためのハードルを下げるお手伝いをしてくれます。
もちろん、JIIMA認証済みのソフトを選ばなければ、電子帳簿保存法に違反してしまうとは限りません。
しかし、帳簿や書類をデータ化する目的が業務効率向上であれば、JIIMA認証済みのソフトは非常に有用です。目的のソフトを2~3個まで絞れたのであれば、最後の決め手としてJIIMAによる認証済みかを確認してみましょう。